管理人が読んだ小説やマンガの中から、オススメっぽいのを徒然に書き残していく新コーナー(?)。
4本目は、赤川次郎【ポイズン毒POISON】(集英社文庫)です。
変なタイトルですが、たぶんこれが正式なタイトルです。
小学校4年のとき、赤川次郎の作品に初めて触れました。
このとき読んだのは【三毛猫ホームズ】か【三姉妹】だと思うのですが、これ以降、両シリーズは割と読んだと思います。
そして、高校生になるころには、もう、赤川次郎から離れていました。
ある日、友人【ういちろう】くんと話している中で、赤川次郎のことが話題になりました。
『赤川次郎って、なんとなく子ども向けっぽいイメージがあるんだよなあ』と語る管理人。
それに対して『そうじゃないのもありますよ』と教えてくれたのが本作です。
一人の学者がある毒薬をアフリカから持ち込みます。
『一滴盛るだけで相手を殺すことができる』『対象は、24時間後に心臓麻痺で死亡する』『検出不可能(ゆえに病死としか診断できない)』というデタラメな毒薬です。
その毒薬が入った小瓶が、管理してある場所から忽然となくなっていた…というのが物語の始まり。
毒薬を探して取り戻そうと奔走する女性(学者の教え子)を横目に、その小瓶は人から人へ移り渡り、事件を引き起こしていきます。
謎解き要素は一切ありませんが、先の展開が読めないストーリーになっています。
赤川次郎の読みやすい文章と相まってサクサク読めるのではないでしょうか。
話の展開に『これ、都合が良すぎるだろ(苦笑)』って感じるところも多いのですが、まあ、それもアリかなと。
赤川次郎だし、ね。
雑な管理で毒薬を盗み出された学者と、その毒薬が使われて死者が出ていると感じている教え子が、終始イチャついていて…『科学的な毒物よりも、人間の方がよっぽど毒』という風刺なのかなと勘ぐっている次第です。
ちなみに、本作では、毒によって死んだのが6人に対し、毒以外で死んだのが8人となっております(管理人調べ)。