『52.164kg~53.524kg』
これ、ボクシングのバンタム級の体重区分だそうです。
柔道だったら『60kg級』で一まとめですし、新日本プロレスだったら『100kg以上か以下か』という区分ですし、大相撲だったらそもそも階級がありません(65kgくらいないと力士になれませんが)。
電卓叩いて計算してみますと、わずか『1.360kg』。
それだけ、ボクシングは、体重差が試合結果に大きく影響するスポーツだと言えます。
また、ダメージによっては障害を負ったり命を失う危険をはらむので、よりシビアな体重区分が用いられているのだと思われます。
なかなかリミットをクリアできず、最後はパンツまで脱いで計量する…。
そんな、深刻だけどコミカルなことが前日計量では割と起こります。
体重区分を守ることが、ボクシングを成立させるための大前提なんですよね。
で、今回の山中慎介選手の試合。
山中選手から王座を奪った相手との再戦でした。
減量する意思を放棄してきた(リミットを2kg以上オーバーしてきた)チャンピオンは、唾棄すべき存在と言ってもいいと思います。
ただ、自動的に王者の地位を失うという報いも受けるので、まあ、本人の好きにすればいいでしょう。
問題は、この試合をそのまま行わせたことにあると思います。
『減量苦がなくコンデションがいい2階級上の選手』と試合をさせることの危険性ってないのでしょうか?
危険性があるから、体重区分が細分化されていると思うのですが。
もし10kgくらい体重差があれば、おそらく試合は中止になるはずで…
つまり、『中止できない』というルールはないはずで…
でも、試合を中止したら、おそらく観客への払い戻しやTV局への賠償などが発生するはずで…
会場使用料や運営スタッフへの報酬は待ったなしで…
だから、簡単に中止できない…とかかな。
結局はお金だよね~!そだね~!
まあ、亀田大毅選手や比嘉大吾選手なんかも体重超過選手を相手に世界戦をしています。
ボクシングとして試合が成立しそうなら、全部が全部、中止にしなくてもいいのかもしれません。
ただ、山中選手の今回の試合は、ちゃんとした相手とさせてあげたかった。
偉大なる『神の左』のラストマッチがこんなことになってしまうなんて…ね。
今回はイワクつきのチャンピオンに王座を返上させて、後日、山中選手と階級上位がタイトル戦を行うことはできなかったのかなあ。
平昌オリンピックもそうでしたが、選手がベストパフォーマンスを発揮できないやりかたは…残念を通り越して、腹立たしいです。