管理人が読んだ小説やマンガの中から、オススメっぽいのを徒然に書き残していくコーナー。
8冊目もマンガにしてみます。
末次由紀【ちはやふる】(講談社)。
【千早(ちはや)】が通う小学校へ転校してきた【新(あらた)】は、競技かるた界の最高位である名人になることを目指していた。
新の情熱を目の当たりにした千早は、自らも、女性の最高位であるクイーンになることを夢見るようになる。
そして。
月日は流れ、高校生になった千早は、再会した【太一(たいち)】とともにかるた部を作るべく動き出す。
…みたいなストーリー。
スポ根です。
管理人は、現役高校生の頃、とにかく古文が苦手でした。
小説・評論・漢文は大丈夫なのに、古文だけはどうしても7割正解が限界…。
そもそも楽しくないのが苦痛で…。
もし高校の頃にこのマンガを読んでいたら、古文に楽しさや美しさを感じることができただろうにな~。
登場人物が、皆カッコいいです。
主人公がカッコいいのはフツーですけど、脇役の一人一人がここまでカッコいいマンガはあまりないような…。
また、高校生に負けないくらい、下手したら高校生以上に、オトナたちが輝いています。
さて。
『かるたバカ』であり才能豊かな千早や新とは違う、太一の存在が面白いですね。
【頭脳明晰】【容姿端麗】【温厚篤実】【徳高望重】という完璧超人な太一。
でも、かるたの才能はなく、かるたへの情熱も曖昧で、作中においても『なんのために、かるたをしているの?』が見えてきません。
新がかるたをするのは、かるたの名人になりたいから。
千早がかるたをするのは、クイーンになりたいから。
じゃあ、太一は?
中学時代も同好会でかるたを続けていたのは何故?
千早と離れてもかるたを続けたのは何故?
太一は、新に対して卑怯な振る舞いをした小学生の頃の自分を許していません。
また、原田先生に言われた『青春ぜんぶを懸けたって強くなれない?懸けてから言いなさい』という言葉も、太一に重く圧しかかり続けています。
許すことも逃げることもできない太一が、どうやって自分を認めてあげることができるか。
今後も気になりますね~。
最後に、作中の大事な場面でも使われた句を。
由良の門を
渡る舟人 かぢを絶え
ゆくへも知らぬ 恋の道かな
※表記は次のサイトのものをお借りしました。
【百人一首の風景】さま http://www.hyakunin.stardust31.com/